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「未来のエネルギーを創る『日本のエネルギー革命』」シンポジウムを開催

2018年7月9日、東京・赤坂で、「未来のエネルギーを創る『日本のエネルギー革命』」(日経BP主催、レノバ共催)と題するシンポジウムを開催いたしました。世界と日本のエネルギー政策が転換期を迎える今、企業や地域はどのように変わるべきなのか、闊達な議論が交わされました。


当初予定を大幅に上回る431名もの参加者で会場内は熱気で包まれる中、共催者である日経BPを代表して酒井副社長による開会のことばから始まりました。
酒井副社長は「政府が第5次エネルギー基本計画を閣議決定した直後にこのようなイベントを開催できるというのは大変うれしい。われわれにとって再生可能エネルギーの比率を上げていくということは不可避であり、これから何十年、何百年を考えれば、非常に重要なことだと思う」と述べました。


続いて特別招聘ゲストとして登壇された、自由民主党筆頭副幹事長 小泉進次郎衆議院議員からは、「今の日本は、様々なところを変えていかなくてはならない状況にある。そのひとつが、エネルギー分野であり、国民一人一人が夢と明るさを持って構築していけるような道は何なのか。まさに日本の英知を結集してやっていかなければいけない大きな政策分野だと思う。今日のこのイベントで、日本が進むべき方向性を大いに議論し、知恵を出し合っていただきたい」と、イベントに対する期待の言葉を頂戴しました。

<基調講演;世界の潮流と日本のエネルギー変革>


名古屋大学 髙村ゆかり教授

世界では、再エネの発電コスト低下により、2015年には、再エネの新規設備導入量が、化石燃料と原子力の新規設備導入量の合計を超え、エネルギーの大転換期を迎えた。火力と競争できるようになったことで市場から選ばれ、市場が拡大することでさらにコストが低下するという好循環を生んでいる。パリ協定の締結も後押しとなり、発電量に占める再生可能エネルギーの割合は2050年には64%にまで拡大するという見通しもある。
 日本の発電電力量に占める水力を除く再エネ比率は2011年度の2.7 % から2016年度の7.8%(水力を含めると15.3%)と増加しているものの、主要先進国に比べるとまだまだ少ない。これまで供給の不安定さが課題といわれていた再エネも、送配電網の運用などが課題解決の糸口となる。今後は主力電源として役割を果たすよう導入を推進するには、欧州での先行事例が示すように、導入を着実に進め、主力電源にするという国によるビジョンの提示が重要で、民間投資のリスクを下げるとともに、次世代の事業者を育成していく必要がある。
『エネルギー革命』はかつてない規模と速度で進んでいる。日本企業には技術力があるので、この革命をチャンスと捉え、脱酸素という大きな市場に乗り出してほしい。

<パネルディスカッション>

『エネルギー革命前夜、日本で起こる各界の変革』


~テクノロジーの変革~


シーメンス株式会社 代表取締役社長兼CEO 藤田研一氏

欧州の再生可能エネルギーは20世紀からリスクを取りながら市場を創り、技術開発を支える事業環境が整えられてきた。過酷な環境の北海油田開発などで培われてきた洋上風力に通ずる大規模プロジェクトの遂行能力も事業者にある。残念ながら日本が遅れを取っているのは明白で、この遅れを取り戻すには、思い切った目標設定や規制緩和が必要であると思う。ただ、後発だからこそ可能性も大いにある。海外での失敗例を含めた先行事例を参考にできるというメリットがある。

~ファイナンスの変革~


株式会社三井住友銀行 専務執行役員 西崎龍司氏

世界のESG投資の動向として、世界全体の市場規模の内、欧米が9割を超えている。日本は未だ比率は低いものの、その規模は2016年から2017年にかけて2倍以上に急拡大している。また、世界のプロジェクト・ファイナンスベースにおける融資額を電源別に見た場合、化石燃料への融資が2007年以降下がる一方、再生可能エネルギーへの融資は、右肩上がりで、今や世界の発電事業に対する融資額の半分以上を占めるまでになっている。日本では未だそこまでの比率にはなっていないが、その分拡大の余地があるビジネス分野としてチャレンジしていきたい。

~地域社会の変革~


岩手県軽米町町長、全国町村会副会長 山本賢一氏

私がいる軽米町だけではなく全国の地方自治体の多くは、少子高齢化、若い人たちの雇用の拡大といったとても難しい課題に直面している。その解決のヒントが再生可能エネルギーにあると思う。私は、都市でできないことを地方が担うような、地方と都市部の共生関係を目指すべきであると思う。地方にある再エネ資源を活用して電力を生みだす仕組みに地方創生のヒントがある。

~発電事業の変革~


株式会社レノバ 代表取締役社長 CEO 木南陽介

レノバの再エネ発電容量は開発中のものを含めると10年ほどで1.5GW(150万kW)に達する予定で国内有数の規模。国内市場全体ではこの5年間で再生可能エネルギーの発電量は2.5倍になったが、その9割以上を太陽光発電が占めており、偏りが見られる。今後はバイオマスや洋上風力の市場の育成が大切である。当社が取組む再生可能エネルギーは太陽光、木質バイオマス、風力、地熱といったように多岐にわたっているが、それは全国各地の地域の資源を活かしたいからである。現在の日本のエネルギー自給率は約8%で、これはあまりに低い。この危機感を多くの人と共有し、普及の障壁を下げていきたい。価格を下げるのは発電事業者の責務であり、再エネ業界のコストリーダーを目指して今後もしっかりと取り組んでいきたい。

<閉会のあいさつ>


株式会社レノバ 代表取締役会長 千本倖生

今のエネルギー業界は、かつて私がいた通信業界によく似ている。NTTという巨大企業には太刀打ちできないという風潮の中、私は稲盛和夫氏と共にDDI (現KDDI)を創業した。
今、日本の産業界には「できない」と考える「心の障壁」がある。しかし、高い志と「できる」という信念があれば、日本は2030年には、世界有数のグリーンエネルギー国家になれると確信する。今年2月に東証一部へ指定替えをしたばかりのレノバも、その変革の旗手として貢献して参りたい